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黄色は止レマ

エッセイあるいはただの戯言

あまりにも硬派過ぎるHipHopの若き俊英 Linn Mori - "Ocean Bed"

音楽

soundcloud.com

本日のDIGは、Linn Mori氏が先日フランスはパリのレーベルOrikami Recordsからカセットテープ(!)で発表した新作(※DL販売も有り)。
日本の若手HipHopプロデューサーの中でも頭一つ抜けたセンスを誇る彼だが、今回も一発カマしてくれてます!

他の日本のプロデューサーと比較して、彼の特異な箇所といえば「極度のクラシックスタイル至上主義」かつ「あまりにも本場っぽ過ぎる」点だろう。つまり、オールドスクールサンプラーで、カビ臭いレコードに秘められた原石のような音を採取し、その音だけで楽曲を構築していて、かつそのセンスが日本人離れしている。
そのクラシックスタイルが、このジャンルにおいては特殊な効果を生んでいて、完全にミドルスクールのサウンドになってしまっている。2016年の音楽とは思えないザラつき具合。絶対SP-1200とか使ってるでしょ?
形式においては、明らかにJ DillaNujabes以降を感じさせるJazzy-HipHopスタイルなんだが、この真っ向なセンスと煙たいサウンドからは、DJ Premierの正統進化とでも言ってしまいたくなる魔力がある。
ほんとに日本人?しかも20代半ば??と疑ってしまうレベル。

そしてこのインストゥルメンタルなJazzy-HipHopがまたとんでもない完成度で。
HipHopでJazzでインストと言えば、かつてMADLIBYesterdays New Quintet(以下YNQ)に委ねた夢を思い浮かべずにはいられない。
YNQMADLIBの持つJazzへの歪んだコンプレックスを、サンプリングという方法で無理やり形にした、まるでキメラの様な奇妙な音楽であった。しかし、Linn Moriのこの堂々たる正統性よ!
そして、J DillaNujabes周辺のJazzy-HipHopは機能的な側面がかなり強かったと認識しているが、Linn Moriはそこに(サンプリングにも関わらず)巧みなアンサンブルを持ち込むことでインストとしての強度を一段高めていると感じる。

まるでタイムカプセルから飛び出たかのような音色なのに、明らかに現代の解釈のトラックというこの不条理。
紛うことなき本物のHipHopであり、かつてDJが夢見たJazzである。
あぁ、初めてSail To The Moonを聴いた時の衝撃が蘇ってきた・・・。

何やらごちゃごちゃと書いてしまったが、何が言いたいかって、Linn MoriはHipHopという音楽に対して真摯で、無骨で、あまりにも硬派だということ。

カセットテープ及びデジタルアルバムは以下のbandcampにて購入可能。
投げ銭方式なので無料でも落とせるが、Linn Moriは今後脚光を浴びるべき才能なので、ちゃんとお金を払いましょう。
そして、出来るだけチープなラジカセで聴こうな。 orikamirecords.bandcamp.com


Linn Mori
Twitter : https://twitter.com/linn_mori
bandcamp : https://linn-mori.bandcamp.com/
SoundCloud : https://soundcloud.com/linn-mori