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黄色は止レマ

エッセイあるいはただの戯言

【ミステリ】ダイイング・メッセージは実在するのか

西尾維新掟上今日子の家計簿』を読んだ。

家計簿全く関係ない。お金も全然関係ない。
まぁ、タイトルなんてどうでもいいんだ。面白ければ。

早くも7作目で、今回はいつもの刑事モノ。
相変わらずの薄いカルピスみたいな至極正当のエンタメ(褒め言葉だよ?)で楽しく読めた。

今回の4編の内の1つで「掟上今日子叙述トリック」という話がある。
どんな話かと言うと、推理小説に疎い刑事に対して今日子さんがひたすら“叙述トリックとは何か”を語る、というちょっと変わったお話。
その中でダイイング・メッセージへの言及があって、ふとダイイング・メッセージが実際に使われたことってあるの?という疑問が沸いたので調べてみた。

ダイイング・メッセージは実在するのか?

試しにググってみたら、答えはWikipediaに記載されていた
とりあえず抜粋してみる。

そもそも、ダイイング・メッセージとは。

ダイイング・メッセージ(dying message)とは、ミステリー作品において死亡した人物が死の間際に残したメッセージのこと。多くは殺人事件の被害者によって犯人を示す目的で残される。

ミステリー用語なだけあって、「ミステリー作品において」という枕詞がつく。
血文字で犯人のヒントとなる暗号を書く、というのが典型的なイメージじゃなかろうか。
現実で暗号書く人なんているのかね?

そこで実例。

被害者がダイイング・メッセージを残した実在事件

1963年8月の波崎事件では毒物を口に入れた被害者が死に際に犯人の屋号を示唆するダイイング・メッセージを残していた。これと、最後に接触して毒物を飲ませることができた可能性が最も高い人物であり死亡によって生命保険金が入るという状況証拠によって、1976年に死刑判決が確定した。しかし、毒物の入手先を検察側は実証していなかったことなどから冤罪疑惑が指摘されている(死刑執行はされないまま、2003年に獄死)。

1985年5月3日に徳島県池田町(現:三好市)で起こった保険金殺人事件では被害者が血文字でカタカナでの加害者の実名を記したダイイング・メッセージを残した例があり、加害者が自供した例がある。[要出典]

また大阪の殺人放火事件では被害者が残したダイイング・メッセージに基づいて捜査して取調べ中に自供した犯人が、裁判で自白の強要と判断され、一二審で無罪となった例もある。

以下2例のダイイング・メッセージは被害者の顔見知りではないことや性別区別に留まっている。
京都精華大学生通り魔殺人事件
加古川小2女児殺害事件

上記の例は全て日本の事件だが、思いのほか実例はあるようだ。
しかも結果がバラバラ。上から

  • 犯人逮捕に繋がったが、冤罪疑惑が残る
  • 犯人を名指しし、逮捕に至る
  • 冤罪
  • 精細にかける内容のため、犯人逮捕に至らず

真っ当に役目を果たしたのは1パターンだけ(しかも要出典項目)。
現実ではあまり上手くいっていない様子。うーむ。

海外の事件も含めればもっと有用な事例もありそうだと思ったが、今回は見つけられなかった。

アッサリ回答が見つかって面白くないので、もう少しダイイング・メッセージについて掘り下げてみる。

ダイイング・メッセージが初めて使われた作品は?

q.hatena.ne.jp

アメリカのアマチュア・ミステリー研究家Michael E. Grost(*1)は、「実は誰が最初か分からない」とした上で、シャーロックホームズの「ボスコム渓谷の惨劇」(1891年)が早いものだ、としています。

1891年!既に100年以上の歴史を誇るトリックってことだね。紛うことなき古典的手法。

普段ミステリー作品は全然読まないから分からないんだけど、推理小説っていつ頃からあるジャンルなんだろ?
脱線するけど、気になったのでこれも調べてみる。

世界初の推理小説は?

ここでもやはりWikipediaに頼る

世界初の推理小説は、一般的にはエドガー・アラン・ポーの短編小説「モルグ街の殺人」(1841年[2])であるといわれる。しかし、チャールズ・ディケンズもポーに先立ち、同年1月から連載を開始した半推理・半犯罪小説の『バーナビー・ラッジ』(1841年)を書いているほか、100年ほど前に書かれたヴォルテールの『ザディグ』(1747年)の一編『王妃の犬と国王の馬』も推理に重きが置かれている。さらには『カンタベリー物語』、『デカメロン』、聖書外典『ダニエル書補遺』の『ベルと竜』などにも推理小説のような話が収録されており、どこに端を発するかという議論は尽きない。

所説あるようだが、一般的には1841年のポーってことになるらしい。
ちなみに、かのシャーロック・ホームズが初めて世に出たのが1887年とのこと。

無理やりまとめ

ちょっと脱線してしまったが、無理やりまとめてみる。

まず、推理小説の誕生が(一般的に)1841年
次に、ダイイング・メッセージの初出が1891年
(日本で)実際にダイイング・メッセ―ジが使われたのが1963年

ダイイング・メッセージという概念が生まれてから、72年の時を経て現実に実例が出たのか。推理小説が生まれてからだと122年。ほうほう。

期せずして歴史を遡ることになってしまったが、意外と興味深い結果を得られた気がする。

今回はこんなところで。

掟上今日子の家計簿

掟上今日子の家計簿