黄色は止レマ

エッセイあるいはただの戯言

自分が友情を感じていたとしても、相手も同じように思っているとは限らない

ここだけの話だが、ファミレスが好きだ。
具体的にはファミレスの喧騒とドリンクバーが好きだ。本やら携帯ゲーム機やらを携えて数時間居座る。最低でも二時間、長い時は半日いる時もある。そして今もファミレスでこの文章を書いている。
よく行くのはガストで、最近美味しいメニューが増えて特に気に入っている。
ガストは自宅から自転車で十分圏内に四店舗ある。東西南北に一店舗ずつといった具合だ。
普段は南のガストへ行く。他の店舗と比較して、接客態度や清潔度が上……と言ったことは実はあまり気にしておらず、単に一番近いから利用しているだけだ。
たまに他の店舗へも行く。二番目に行くのは西の店舗。ここは二十四時間やっているのが良い。
これを他人に言うと呆れられるのだが、たまにガストをはしごする。場所を変えて気分転換を行いたいのだが、メニューは変えたくない。そういった時にチェーン店は都合が良いのだ。

結構前の話になるが、ガストのメニューに新しいスイーツが追加された。
「ストーンアイスパフェ(以下ストパ)」という、よく冷えた石の器にアイスやケーキなどが盛られ、それをスプーンで混ぜて食べるといったものだ。これが実に美味い。
大変気に入ったのでよく注文していたのだが、ある日おかしなことに気が付いた。

最初に異変に気が付いたのは西の店舗へ行った時である。
ストパにはバニラアイスが二つ盛られていたハズなのだが、メニューの写真を見るとアイスが乗っていない。
もしかして勘違いだったのか?と思いつつ頼むと、運ばれてきた“ヤツ”はどう見ても今までよりも量が少ない。念の為店員さんに確認してみても、これで問題ないと言う。
親友だと思っていた相手に急に裏切られたような、釈然としない気持ちを抱えつつ、いつもと変わらない料金を支払い、その日は店を後にした。

後日、今度は南の店舗へと行った。
するとメニューにはバニラアイスが二つ盛られた写真が載っている。実際に頼んでみると、ストパは見慣れたボリューミーな姿で私の前へと現れた。
そうだよ、俺の知ってるお前はこういうヤツだった、と強く頷きつつ、西の店舗で見せた不遜な姿はなんだったのかと考える。
店舗によるアレンジの違いなのか、一時の気の迷いだったのか、それとも私の事が嫌いになってしまったのか。

つまらない話だが、結論としてはただのABテストである。
ネットでよく使われる手法で、例えばあるサイトで二パターンのボタンを用意し、どちらがよりクリック数が上か図るものだ。
今回のケースで言えば、コストパフォーマンスと注文率の差を図ったのであろう。しばらくすると南の店舗でもストパは量が減ってしまった。
値段は変わっていないだけに馬鹿馬鹿しい気持ちになってしまい、こうして私とストパとの関係は終わった。
以来私は「ヒマラヤの雪どけわたあめプリン」というスイーツで自分を慰めることにした。

そしてついこの間、わたあめプリンはメニューからいなくなってしまった。
ストパはいまだ健在なのだが、なんとなく意地で頼めない。今はただ、ドリンクバーのコーヒーをすするのみである。その味はほんのり苦かった。